つくば市の研究所からの「水を蒸発させる実験器具が詰まってしまう」というご相談をいただきました。
現場で実験器具を見てみると、ベージュ色の物質がこびりついています。
いわゆる「蒸発残留物」と言われるものです。その名のとおり水を蒸発させた後に残る様々な物質のことで、mg/リットルで表します。
水質基準値は500mg/リットル以下となっています。一般的な水質検査でも調べられる項目です。
蒸発残留物の主な成分はカルシウム、マグネシウム、シリカ、、、などです。井戸水では有機物なども含まれます。

研究所で使っている水は水道水ですので、もちろん水質基準はクリアしていますが、もちろんカルシウム等がゼロではないので、それらを除去できれば実験器具の詰まりは解消されるはずです。
・・・となると軟水装置?
ただ特殊な環境で行う実験のため通常の軟水装置だと設置スペースや再生、排水がなかなか難しい感じです。
そもそも軟水装置で完全に解決できるかも不安です。
常時行っている実験ではないようなので、どこまでのレベルで浄水すればいいのかもはっきりしません。
今回は使用水量はそんなに多くないようなので、それならば「逆浸透膜システム」がベストのようです。

装置選定にあたりテスト用の軟水装置、逆浸透膜装置を持ち込んで(水道原水)(軟水装置通過水)(逆浸透膜通過水)を採水して加熱蒸発実験を行いました。
※それぞれ300ccの水を蒸発させました。

蒸発実験-水道水
水道原水:かなりの残留物があります
蒸発実験-軟水
軟水:水道水ほどではありませんが、それでも残留物があります。

 

蒸発実験-純水
純水:わずかに白っぽいものが残りましたが、これなら実験装置の詰まりも解消されると思います。

結果は一目瞭然です。さすが逆浸透膜という結果でした。
あとは実験施設内にどのように取り付けるか、という課題はありますが、まずは逆浸透膜装置で行こう!ということになりました。

確かに逆浸透膜装置は究極の浄水装置ですが、どの現場でもこれがいいかとなるとそうでもありません。
原水の水質やご使用状況、なによりどんな水にしたいか、を十分に伺ってご提案させていただきます。