一般に細菌、ウイルスなどの病原菌などを殺して無害化することを「殺菌」といいます。水道法では「殺菌」の意味で「消毒」という言葉を用いています。いずれにしても細菌を完全に殺すことを意味している訳ではありません。水道法でも健康に関する項目の中で、一般細菌が「1mLの検水で形成される集落数が100以下であること」と規定しており、細菌数0を要求していません。
これに対して「滅菌」とは、病院で手術などに使う器具を高温の水蒸気などでまったく生菌のない状態にすることをいいます。

塩素分子(Cl2)を水に加えて反応させると、次亜塩素酸(HOCl)と次亜塩素酸イオン(OCl)という殺菌作用を持つ物質が生成します。この次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンを有効遊離塩素と呼んでいますが、各々の存在割合はpH(水素イオン濃度)の値に依存します(図1)。殺菌効果においては次亜塩素酸の方が遥かに大きいので、図1から殺菌効果は酸性側(pH値が小さい方)で大きいことがわかります。このように殺菌能力はpH値に依存します。